鍼術と灸術
鍼術とは身体表面の一定の場所(つぼ＊1)に鍼(はり)を接触または刺入して刺激を与えて、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、病気の予防または治療に応用する施術です。
灸術とは鍼術と同様に身体表面の一定の場所(つぼ＊1)にもぐさ(艾)を燃焼させ、またはこれに代わる物質を用いて温熱的な刺激を与えて、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、病気の予防または治療に応用する施術です。
これらは、経験療法といわれます。
その昔、人がケガをするなどして痛みを感じたとき、本能的にその場所に手を当て、さすったり、圧したり、揉んだり、なめたりしたと思われますが、やがて火を使うようになると温めることを通じて温熱が痛みを和らげてくれることを経験し、局所的温熱刺激である灸術の開発が行われたといわれています。
鍼術は、その昔、尖った石(砭石＝へんせき)を使って皮膚を切り、これによって膿(うみ)を排出させたりして病気の治療ができることを経験したといわれ、道具の発達とともに金属製の鍼が使われるようになったといわれています。
そしてそれらはより経験を積み重ね、より効果的な治療法に発展して、現在に至っていると考えられています。
こういった歴史を持つ伝統ある鍼灸術は今も私たちのもとで息づいています。
この昔からの知恵や叡智が結集した鍼灸術を活用してお身体の調子を整えるのは自然なことなのかもしれません。
＊1 『つぼ 』とは
灸術を受けた人がお身体の縦方向に感じる感覚から経脈というものが認識され、その経脈を使って鍼術を行なっていたところ、経脈上に治療の効果が特異的にあらわれる部位が認識されて、それが『つぼ』と呼ばれるようになったといわれています。それは反応の出やすい部位であり、治療効果の高まる場所として治療に用いられています。
鍼(はり)
使われる鍼は髪の毛程度の細さなので、刺したときの痛みはほとんどありませんが、感じ方は人それぞれです。「痛くない」方もいらっしゃれば、「チクッ」とほんの少し痛みを感じる方もいらっしゃいます。お身体の場所によっても感じ方は異なりますし、症状や状態によっても異なってきます。
施術中にもし痛いと感じられるようなことがありましたら我慢せずにおっしゃってください。
鍼には色々な種類があり、最も一般的なものは『毫鍼(ごうしん)』といわれるもので、通常使われているものがこれにあたります。毫鍼の毫(ごう)とは、細い毛という意味です。
まゆ美療鍼灸セラピーでは、感染症予防等の安全性と衛生面に考慮された滅菌済みディスポーザブル鍼(ディスポーザブル=1回使い捨て)を使用しております。
刺さない鍼もあります！
刺す鍼に抵抗を感じられる方や鍼刺激に過敏な方には刺さない鍼もありますので、そちらで対応しております。刺さない鍼は皮膚刺激を主体とした鍼法で『つぼ』にこだわらず、広範囲の体表部に接触、摩擦などの優しい刺激を行なったりします。
この刺さない鍼にも種類はたくさんあります。ローラー鍼、いちょう鍼、えん鍼、てい鍼などがあります。まゆ美療鍼灸セラピーではこれらを使用しております。
ご利用者様のご希望に合わせて行ないますのでどうぞご安心してお受けください。
お灸(きゅう)
お灸にはアロマテラピーの効果をもたらし、リラックスを促します！
お灸に用いるもぐさ(艾)は、キク科の多年草である蓬(よもぎ)の葉から作られます。もぐさは燃焼時、お身体の皮膚、組織に対し、適度な温熱刺激を与えることができ、血行やリンパの流れを促進させます。もぐさの成分にはチネオールを主成分とする精油が含まれており、燃焼により独特の芳香を発し、アロマテラピーの効果をもたらし、リラックスを促します。
無痕灸
お灸にも色々な施灸の方法がありますが、 現在はお灸のあとが残らないで心地良い刺激を与える無痕灸が主流となっており、
まゆ美療鍼灸セラピーでは、温灸(台座灸=厚さ数ミリの台座を用いて皮膚との距離をあけ、もぐさを燃焼させる)を使用しております。温熱が穏やかに伝わりますので初めての方でもご安心してお受けいただけます。
瞑眩(めんげん)現象
鍼灸の施術後に一時的にお身体がだるい、のぼせるなどの症状が出てくることがあります。
これを漢方で瞑眩(めんげん)といって、お身体の治ろうとする反応であり、効果の現れる証拠とされています。
鍼灸によるリスク
リスクに対する知識と技術を習得して細心の注意を払って鍼灸術を行なっておりますが、お身体の状態などで稀に生じる可能性があるものに、外出血、内出血があります。
鍼が毛細血管壁を刺傷することによる出血で、内出血の場合は青紫色のあざ(紫班)が刺鍼部位の周囲に生じ、数日から1週間程度で消失します。
気になさるお方には、刺さない鍼で施術させていただいております。
どうぞご遠慮なくおっしゃってください。
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